July 22, 2008

心機一転の「行雲流水」

山崎泰環行雲『行雲流水』と言えば禅家の専売特許のようなものである。だが、マンネリでは芸はない。河の水は何時も流れていて、水は交替し、それで清冽が保たれている。無常がそのまま真理なのだ。この作品は、いつもの濃墨が白墨へと変換されている。そして画仙の素紙がほのかな料紙となり、風情を静かに高鳴らせている。そこに、じっくりと盛り上がるような力感の筆致の「行雲流水」が浮び上がっている。非常に逞しい文字だが、雰囲気は静かである。そして、きわめて細かな配慮であるが、「行雲」と「流水」は明らかに書風が異なって書かれていることにも注目したい。考えてみれば、空行く雲と流れる水が同態であるはずはないのである。ここが、山〓泰環氏が禅家である所以であろうか。そして、異なりつつ両者が一体に包まれて流れていく。同質異現である。氏にとって、書はアートの一分野ではない。それはやはり宇宙真理の顕現の一法であろう。(文 司 雅泉)

東 聖観
Taikan Yamazaki
行雲流水
紙本墨書
135×34cm
2005年制作
yubido05 at 10:12 │TrackBack(0)

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